「少年レッド」(と「紅蜥蜴」)の雑感とトリビア

 少年レッドは
  第2期ドラマCD 少年レッド
  歌謡ショウ「紅蜥蜴」
  OVA『豪華絢爛』第3,4話
 に登場する劇中劇。

 主役・少年レッド(李紅蘭)
 敵役・ドクロX(マリア)
 ヒロイン・湯川マサエ(さくら)
 探偵・明智小次郎(カンナ)
 敵役・紅蜥蜴(すみれ) など

  • 作者は江戸川千葉助であることからもわかるように、江戸川乱歩作品が元ネタの1つ。

  • 少年レッドは、桑田次郎の漫画「まぼろし探偵」(S32~S40)によく似ている(仮面、黄色いマフラー、手袋、拳銃、バイク、など)。赤い仮面という意味では、横山光輝「仮面の忍者 赤影」(S41~S42)の影響も見えるか。

  • 明智は、上述のように江戸川乱歩作品の名探偵、明智小五郎が元ネタであろう。

  • 黄金バッドの作者の一人、加太こうじによる紙芝居「怪人ゴルダァ」(S20年代)にドクロエックスというドクロ姿の悪人が登場している。あるいはこれがドクロXの元ネタか。

  • マサエは捕まって縛られているところが出てくるが、紙芝居「黄金バット」の現存する戦前の絵の中に、同じように捕まって縛られるところの構図がそっくりのユリ子というキャラが描かれている。まあ、ありふれている構図ではあるので、とりたててのモデルということはないかもしれない。

  • 少年レッドは紙芝居からはじまったということになっている。
    紙芝居の全盛期は昭和20年代後半から30年代初めと言われるが、大正末期から昭和18年頃までも隆盛をほこっており、大正風俗として間違っていない。

  • 紙芝居の代表的演目である黄金バットはラジオドラマ化されていないが、江戸川乱歩作品は昭和27年からラジオドラマ化されており、特に朝日放送~ニッポン放送による「少年探偵団」(S29~S32)はかなりの人気だった。

  • 紅蜥蜴は、江戸川乱歩の明智小五郎シリーズの1つ「黒蜥蜴」(S9)のモジリであろう。黒蜥蜴は妖艶な女賊であるが、探偵である明智と追う者と追われるものでありながら、愛情を感じ合う。なお、三島由紀夫が戯曲化(S37初演)しているが、黒蜥蜴と明智の恋愛を強調しており、歌謡ショウは、これを参考にしているのではないか。
    なお、黒蜥蜴は美輪明宏の当たり役として有名。松竹の映画(S43)でも演じている。

  • 少年レッドの歌は1960年代末から70年代初頭にかけての、ヒーローもののアニソンが軍歌調を脱し、児童合唱曲風になった時代を彷彿とさせる。

  • 歌詞で「黒いコルトが火を噴けば」とあるが、これは銃器メーカーであるCOLT社のこと。ただし、広井氏としては、昭和40年代のコルトという単語が拳銃の代名詞として使われていた時代を意識して書いたもので、実際は「黒い拳銃が~」という意味でつかっていると推測する。
    例えばS42には「拳銃(コルト)は俺のパスポート」という宍戸錠主演の映画も公開されており、また、この映画においてではないが、宍戸錠が「俺のコルトはルガーだぜ」(コルトもルガーも銃器メーカーの名前なので、本来ならありえない)という迷台詞を吐いたこともあるほど、コルトという単語が拳銃という意味で用いられていた。

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