Act2-5
「ほほほほ。全ては順調ね」
ミロクが高らかに笑う。
「そこまでよ!」
六色の煙とともにあらわれる勇姿。
「帝國華撃團、参上!」
神武が戦闘態勢をとる。
「紅のミロク。今日こそ、決着をつけてやる!」
「ほほほほほ。遅い登場の割にはよく吠える。しかし、わらわが手を下すまでもない。いでよ! 黄泉兵(よもついくさ)!」
ミロクの掛け声とともに新たなる降魔が姿を現す。
「大神! 今までの降魔とは違うぞ。過去にもデータがねぇ!」
米田が慌てて通信を送ってくる。
「どうします? 隊長!」
マリアも不安気だ。
「だが、やるしかない。マリア、紅蘭と一緒に援護してくれ。俺があたる!」
「了解!」
「了解や!」
大神は一気に黄泉兵との間合いをつめる。
「そこ!」
「いっくでぇ!」
マリアの蒸気速射砲と紅蘭の霊子カノン砲が次々に黄泉兵に命中していく。他の黄泉兵はさくらとカンナ、アイリスが牽制して、動きを止めていている。
「狼虎滅却・無双天威!」
いきなりの必殺技だ。
実力が不明の敵にはまず、全力をもってあたるというのが、大神が先の大戦で学んだものである。
「どうだ!?」
だが、黄泉兵はまだ倒れない。
「なんて奴だ!」
逆に攻撃をしかけてくる。大神はそれを辛うじて受け止める。
「大神はん! さがりや!」
紅蘭が叫ぶ。
「これが科学の力や! 聖獣ロボ!」
「パールクヴィチノイ!」
紅蘭とマリアの必殺技の直撃をうけ、ようやく、黄泉兵は倒れた。
「お兄ちゃん! 大丈夫?」
アイリスが大神の側にテレポートしてくる。
「イリス・シャルダン!」
アイリスのみが持つ癒しの力が大神の神武を包み、回復させる。
「すまない、アイリス」
「いいの。お兄ちゃんに喜んでもらえば!」
とりあえず、相手の力量はわかったが、想像よりも強力だ。
「全員、防御隊形だ。相手の隙を見て倒していくんだ!」
「了解!」
アイリス、紅蘭、マリアを中心にし、サクラ、大神、カンナが外側に陣取る。前線が防御しながら、後方の安全なところから攻撃を加えるのだ。
だが、強力な敵に、劣勢は否めず、次第におしこまれていく。
「隊長!」
「どうしたマリア」
「相手の動きが変です。どうも我々を、ある場所に追い込もうとしているように思えます」
「なんだって?」
だが、いささか気付くのが遅かった。
固まって防御態勢をとる華撃団の四方に見慣れぬ機械が出現する。
「かかったな、華撃団! 喰らうがいい、我が『鬼雷砲』を!」
高電圧大電流の雷が神武を襲う。
「うわぁぁぁ!」
「きゃぁぁぁ!」
以前、降魔「蝶」がつかったものとは比較にならないほど強力だ。
「くうっ……破邪剣聖・百花繚乱!」
さくらが辛うじて一基を破壊する。
「みんな、あそから脱出するんだ!」
なんとか鬼雷砲の射程から脱する。だが、ダメージは深い。
「隊長、すいません。撤退します!」
「大神さん、ごめんなさい……」
「お兄ちゃん……」
「大神はん。すんません」
マリア、さくら、アイリス、紅蘭と次々に撤退する。
次へ
目次へ
TOPへ